【FOR BOYS】ぼくはあるいた まっすぐ まっすぐ マーガレット・ワイズ・ブラウン作 林明子画
マーガレット・ワイズ・ブラウン作、林 明子画 という字面だけで買ったのだけれど、やはり外さなかった。これはプレゼントに選んでも失敗しない本。
2歳半を過ぎたころ、バァバとも会話でコミュニケーションをかなり取れるようになった息子はおもちゃの電話でよくバァバに電話をするようになっていた。そんな彼だから、おばあちゃんから孫へ電話でかかってきたシーンから始まるこの本には、とてもシンパシーを持ったようだ。
「まっすぐ まっすぐ」という繰り返し表現が入った題のおかげで、読み聞かせの冒頭、題名を言っただけでこどもの心を掴み、すっと読み聞かせに集中していく。確かに、ただ「まっすぐ」というより「まっすぐ まっすぐ」というだけで、こどもならではの慎重さとひたむきさが伝わってくるから、文を担当している坪井郁美という人もすごい。
林明子の絵は、幼児の表情だけでなく、こども特有のふくよかさ(かわいいほっぺたとか)やしぐさ(おっかなびっくりの時はちょっと猫背になるところとか)が本当にリアルで、どの本もこどもが感情移入しやすいから、「なんどもせがまれる」本のリストに林明子の作品は多数入っている。この本はとりわけ少し大きめの判型でイラスト部分がとても広いので、「こんとあき」同様、林明子ワールドを堪能できる1冊だ。
ちなみに本の読み聞かせの際には、読み終わり本を閉じたあと、裏表紙のイラストもしっかりこどもと眺めてほしい。このイラストがあるのと、ないのとは、こどもの読了感はけっこう異なる。
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