【keyword:friendship】 モグラくんとセミのこくん ふくざわゆみこ作
「一見ほっこり」している絵本は、星の数ほどある。けれど、読み終えたときに心底優しい気持ちになれるものは意外と少ない。この「モグラくんとセミのこくん」は絵と文(内容)ともに芯から冷え切った身体をジワジワ温めてくれる湯たんぽのような1冊で、読み終えた時には泣きたくなった。哀しい内容ではない。本当の優しさに触れたことがある人なら、モグラくんとセミのこくんが心を通わせたこのひと冬の話は、琴線に触れるものがあると思う。
と、ついママだけが感動したように書いてしまったが、3歳後半の息子と初めてこの本を読んだとき、「ほわ〜ん」と彼の心に湯気があがっているように、母は思えた。優しくしてもらうこと、人に優しくすること、どちらも素敵であることをもう彼もよくわかっている。それをこの本を読んで実感できただけでも母であるわたしはこの本を読んだ甲斐を感じた。
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