【keyword:ママはみんな】みまわりこびと A・リンドグレーン作
図書館に通うようになって初めての冬、真冬に真夏の本を借りる気にはあまりならず、冬らしいモチーフが表紙に描かれているとつい手を伸ばしている。
「長くつ下のピッピ」で有名なアストリッド・リンドグレーンが、北欧に古くから言い伝わる小人のことを記した絵本を見つけた。ニッセやトムテなど北欧諸国で同じような存在にいろいろな名称がつけられいて、いわゆる家内安全を願う人々の気持ちを象徴する一種の民間信仰だ。
みんなが寝静まったあと家や家畜小屋を見回る小人のお話を4歳のこどもに読み聞かせ終えるやいなや「このこびと、まるでママみたい!」と感想を述べてみただけれど、息子反応なし。しょうがないか、だって寝てる間のことなんて誰も知らないものね。
息子が生まれてこの4年(正確に言えば妊娠中から)「爆睡して気づいたら朝」なんていう経験は何回あっただろうか。つまり数えるほどしかない。わたしが神経質すぎる、という表現もあるけれど、でも「夜中に布団を掛けなおすために何度となく起きてしまう」的な話で母仲間と盛り上がることなんてしょっちゅうである。全ての母親はみまわりこびとであると言っても過言ではない。
しかしそんな「推して知るべし」といまは思うことも子供のときは意外と知らないもの。この絵本を一緒に読むと、一見ただ平穏に見える毎日にすら縁の下の力持ちがいることをこどもと共有できる機会になると思う。
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