2023.3.19
そのことを写真だけでボストンにいる友にLINEで伝えたら、21階のホテルの部屋で夕陽を眺めながら休憩していた相手がすぐにFaceTimeをかけてきた。10時間位の時差のおかげでわたしたちは、たまに話が噛み合わないことを笑い合う。
春になり日が高くのぼるようになったので、北東向きのテラスに干した洗濯物たちを、少し長い時間、太陽が乾かしてくれるようになった。圧巻の洗濯物を眺めながら、週末らしく色々なアイテムを並べた朝ごはんをゆっくり楽しむ。
14時からのお茶までまだ時間があったから、朝ごはんの洗い物を後回しにして、東側の窓辺に設置したベッドで日向に身体を合わせて寝転がる。日差しの温もりを漫然と、時間を気にせず愉しむ。
シャワーを浴びて、ゆっくりと支度をして、それでもまだ余裕がある。キックボードをうちに置いていった子どもに電話をして、近くで待ち合わせし、キックボードを渡すことにする。なぜなら、日曜日の午後、彼は公園で仲間と集う。その集いに心を弾ませ駆け参じる子どもの姿を想像すると、彼の愛車(キックボード)がないのは物足りないだろう。完璧な日曜日になるように、渡しに行かないと、と思う。
キックボードの受け渡しで私たちはふたつみっつ、言葉を交わす。声色や表情をとおしてお互いちょっと嬉しい気持ちがわかるから、すぐに見送る。たたみかけるように、ママは大丈夫だから、と言う顔を見せる。ありがとうね、と言って元気よくキックボードを蹴りながら、何回か振り返って、彼は安心したように背中を見せて去っていく。
14時からのお茶は人形町だった。日本橋の、隅田川のそばは高いビルまだあまり多くないせいか、いつも空が広く感じる。親しい友人が、ご姉妹を紹介してくれる。初めてお目にかかるけれど、お会いできたことが嬉しくて、こういう時は遠慮をするのは勿体無い。あれこれと3人で忌憚ない会話をする。
美味しいモンブランケーキ、美味しいハンドドリップ、美食家の友人が選ぶお店はいつも素敵。
16時過ぎに帰宅したら、なんだかとてもお腹が空いて、早めの夕食を冷蔵庫にあるもので作る。朝からシンクにためていたお皿と合わせてまあまあな量の食器洗いをし、すっかり乾いた洗濯物をしまい、たたみ、しまう。18時過ぎ、ひとりではなんとかなりそうな食材が入った冷蔵庫を眺めて、やっぱり食料を買い足しにでかける。明後日は祝日で、だから明日は子どもはうちに泊まって、祝日にふたりで遠足をする予定にした。明日の晩御飯はシンガポールチキンライスを作る。
今日こんなかんじで、大きなイベントは無いけれど、誰のためでもなく、ごく自然にやるべきことをやり、会いたい人たちに会い、また一人になって明日を迎える準備をする1日を文章に残しておこうと思ったのは、案外、こうしたなんでもない1日を細かに記憶していることなんてなくて、だけれど後から振り返るとこうして穏やかに過ごせた日がとても愛しく、懐かしむ日が訪れることを知っているから。
実際、文章の途中で面倒になって一度下書き保存したけれど、書きとおすことができてよかった。
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